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千葉 相続税 税理士相続財産 株式 評価方法

相続財産に株式があるときの評価方法

相続財産に株式が含まれている場合、それを評価する必要があります。
評価額によって相続税の金額が大きく変わるため、正しい方法で計算しなければなりません。
今回は、相続財産としての株式の評価方法を考えます。

上場株式と非上場株式の違い

株式には「上場株式」と「非上場株式」という2つの種類があります。
上場株式とは、証券取引所に上場されており、誰でも市場で自由に売買できる株式です。
流動性が高く、株価も明確に把握しやすいため、評価が比較的簡単です。
一方で非上場株式とは、証券取引所に上場されておらず、市場で自由に取引できない株式です。
市場価格が存在しないため、相続時には特別な評価方法が必要となります。

上場株式の評価方法

評価額は、「1株あたりの価格×保有している株数」で算出します(財産評価基本通達169(上場株式の評価)及び国税庁タックスアンサーNo.4632(上場株式の評価))。

【株価の評価方法】

  • 相続が発生した日の最終価格(終値)
  • 相続が発生した月の毎日の最終価格(終値)の平均
  • 相続が発生した月の前月の毎日の最終価格(終値)の平均
  • 相続が発生した月の前々月の毎日の最終価格(終値)の平均

上記4つのうち、最も低い価格を基準として評価します。
株価が変動しやすいため、相続人に不利にならないよう配慮された方法です。

例えば、以下のように評価をします。

相続開始日8月15日の場合
①8月15日の最終価格(終値):1,000円
②8月の最終価格(終値):平均950円
③7月の最終価格(終値):平均980円
④6月の最終価格(終値):平均1,020円
 →  最も低い②950円で評価をし、保有1,000株の場合、950円×1,000株=95万円となる。

なお、相続開始日が土日祝日で最終価格(終値)がない場合には、相続開始日に近い取引日の最終価格で評価します(例:土曜日に亡くなった場合は前日の金曜日の終値)。

非上場株式の評価方法

非上場株式の評価は、「誰が株を取得したか」で方法が変わります。
相続財産に*上場していない会社の株式(非上場株式)が含まれる場合、その評価額は、まず「株式を取得した人が、その会社の経営にどの程度関わる立場か」によって決まります。
具体的には、株式を取得した人が以下のいずれかによって評価方法が異なります(財産評価基本通188、188-2)

① 同族株主等(会社を実質的に支配・経営できる立場の人)か
② それ以外の株主(いわゆる少数株主)

主に以下の3つの方法があります。

  • 純資産価額方式(➀同族株主等。)
  • 類似業種比準方式(➀同族株主等)
  • 上記併用方式(➀同族株主等)
  • 配当還元方式(②少数株主)

それぞれ確認していきましょう。

純資産価額方式

純資産価額方式は、会社の資産と負債をもとにして株式の価値を算出する方法です。
会社が解散した場合に株主へ分配されるであろう金額を基準とします。主に小会社の場合に用いられます。
会社が保有する不動産や有価証券の評価方法が複雑になるため、専門的な知識が必要です。

類似業種比準方式

類似業種比準方式は、評価対象の会社と似た業種の上場企業と比較して株式を評価する方法です。主に大会社の場合に用いられます。
国税庁が公表している資料を基準に計算を行います。

上記併用方式(➀同族株主等)

上記2つの方法を、会社の規模に応じて組み合わせて株式の価値を算出します。主に中規模の会社の場合に用いられます。

配当還元方式

配当還元方式は、株式の評価を「その株式を持つことによる将来受け取れる配当金の価値」に基づいて計算する方法です。
主に少数株主が保有する非上場株式の評価に使われます。
それぞれの方法には、特徴と適用条件があるため、どの方法が適しているかは会社の状況や保有株式の性質によって異なります。
正確な評価をするためには、専門家と相談しながら判断するのがおすすめです。

まとめ

今回は、相続財産に株式が含まれている場合の評価方法について見ていきました。
上場株式は市場価格をもとに、非上場株式は会社の財務状況などをもとに評価されます。
評価方法によって相続税の金額が大きく変わるため、株式の種類や会社の特徴に応じた適切な評価が求められます。
正しい手続きと判断をするためにも、相続や税金の専門家、相続税に強い弁護士への相談を視野に入れるとよいでしょう。

手を組んでいるビジネスマン
著者について
弁護士 川村 勝之
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